カードローンも経営の武器になります

金融機関で企業審査をしています。
審査で非常に重視するポイントは、成長性、安全性、健全性、効率性など様々あります。
当社では健全性を重視しており、おかしな取引をしていると、まず審査に合格することは非常に少なくなります。
ある企業の決算書を見ていました。
売上は十分、利益も確保できている。
内部留保も分厚く、ほぼ無借金に近い経営で、十分に審査を通過できる内容でした。
しかし、勘定科目の内訳明細書の中で、僅かにある借入の内訳明細書を見ていると、ノンバンクの社名と摘要欄にカードローンという文字を見つけました。
通常、このクラスの会社であれば、大手金融機関や地元信用金庫などから「是非、資金提供をさせてください」と超積極的な営業があり、まずはノンバンクなどから借入したりすることはないはずです。
しかも、カードローンであれば、安くても金利10%以上はかかります。
金融機関であれば高くても3~5%程度で済みます。
100万を借入すれば、年間利息が10万と5万となり、どっちが経営に有益かは一目瞭然です。
借りている額は100万未満で大した額ではなかったのですが、もしかして、粉飾決算かもという疑いがあり、同社の社長にその意図を確認しました。
社長との話の中で、これまでの健全性という考え方がほぼ180度変わりました。
結論からいうと、カードローンを使うことで、大きく利益を上げており、健全経営ができていました。
社長が経営している会社は建設会社で、様々な資材を仕入れしていました。
多くの会社では資材が入って1ヶ月後に支払をします。
しかし、最近では資金繰りが厳しい会社も多くなっており、90日サイトの手形を渡したりすることが多くなっていました。
そうなると、仕入れ先もその間のつなぎ資金が要ります。
社長が考えたのは、現金で即払いにすることで、つなぎ資金が不要になる。
そうなると仕入れ先も余計な金利が要らなくなるので、その分、割引をしてくれるはずということでした。
実際、100万程度の資材を購入したとき、現金で即払いを条件に10%引きしてもらうそうです。
ただ、即払いですので、手許に現金がないので、そのときに利便性が高く、スピーディーなカードローンを使ったようです。
100万を年利10%で1ヶ月借りたそうです。
そうすると、100万×10%÷12となり、かかる金利は8000円ちょいとなります。
そうして、割引額10万−8000円で9万円以上の利益が上げられます。
100万で9万の利益となると、粗利益9%以上あることになり、非常に効率の高い取引ができていました。
毎回、このような取引をしていることはないそうですが、利幅の薄い工事をするときには、できるだけ儲けるために使うらしいです。
借入利息が高いからといって、不健全だという認識自体が不健全でした。
ようは、使い方次第で非常に有益なものに変わるということです。
カードローンも上手に使えば、立派な経営の武器になります。
是非、経営者の方はご検討ください。

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